§37. 球面上に映し出されたテキスト

 原題は、Pseudo 3D with Gimp。「GIMPでインチキの3D」とでも訳すのでしょう。本来GIMPは2Dのツールですが、様々なテクニックを行使してオブジェクトやテキストを3Dのように見せることができます。ここでは背景に設定した画像とテキストを球面に反射させてチョット不思議な効果を作成してみます。LinuxFocus.orgより Pseudo 3D with Gimp の実践です。

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     完成画像。

Step1-1 クリスタル効果を施したテキスト。

Step1-3 テキスト部分のみ抽出後。

Step 1

 テキストの作成。

    1/ テキストを作成します。GIMP備え付けのScript-fuを使用します。

    ファイル>画像の生成>ロゴ>クリスタル

    設定:
    文字:任意
    フォント:任意(太字が良い。作例では、DejaVu Serif Bold)
    背景画像:背景に使用したい画像を指定
    環境マップ:beavis.jpg(Default)

    OKボタンを押して実行すると、左図のようなテキスト効果を施された文字が作成されます。

    2/ テキスト部分しか必要ないので、Backgroundレイヤーを除外します。

    Backgroundレイヤーの目のアイコンをクリックして非表示にした後、他のレイヤーを統合します。

    可視レイヤーのどれかをを右クリック>可視レイヤーの統合

    3/ 統合した可視レイヤーのレイヤー名を変更します。

    レイヤー名=Text

Step2-1 作例に使用したKDEの壁紙。

Step2-5 遠近法ツールを適用した床。

Step2-7 遠近法ツールを適用した壁。

Step2-9 必要部分を切り取り。

Step 2

 背景にあたる床と壁の作成。

    1/ 別プロジェクトとして背景にする適当な画像を開きます。作例ではチュートリアル通りKDEの壁紙を使用しました。

    ファイル>開く

    2/ 床と壁を同じ画像で作成します。そこで背景レイヤーを複製し、夫々レイヤーのレイヤー名を変更します。

    背景レイヤーを右クリック>レイヤーの複製

    上のレイヤー名=Floor
    下のレイヤー名=Wall

    3/ 一旦、Wallレイヤーの目のアイコンをクリックし、非表示にします。

    4/ ガイド(イメージウィンドウ上部に表示されている定規)を設定します。この設定は画像のサイズに依存します。作例では以下のように設定しました。なお、作例ではガイドの単位はピクセルです。

    水平ガイド=220px(上から約45.7%の位置)
    垂直ガイド=120px と 520px(左から、約18.8% と 約81.4%の位置) 

    5/ このガイドの交点に合わせて、Floorレイヤーに遠近法ツールを適用します。

    6/ Floorレイヤーを非表示にし、Wallレイヤーを表示します。

    7/ Wallレイヤーに遠近法を適用し、床面と壁の幅を合わせます。

    幅=400px(作例では、左右のガイドの間隔が400pxになっています)
    高さ=300px

    8/ WallとFloorの二つのレイヤーを表示し、レイヤーを統合し、レイヤー名を変更します。

    レイヤー名=Background

    9/ Backgroundレイヤーを切り抜きます。 

    切り抜く範囲は、縦横400×400px

Step3-3 テキストレイヤーの位置・サイズ調整後。

Step 3

 テキストと背景を、同じプロジェクトに統一。

    1/ テキストと背景を、同じプロジェクトに統一します。

    Step1で作成したテキストのプロジェクトを選択し、レイヤータブのTextレイヤーを、Step2で作成した背景用のイメージウィンドウ中にドラッグドロップします。

    2/ ドラッグ&ドロップしたテキストを、イメージウィンドウの上部に移動します。

    3/ [OPTION] テキストレイヤーが大き過ぎるようなら縮小します。

    レイヤー>レイヤーの拡大縮小

Step4-2 テキストの上下鏡面反転後。

Step4-3 円の描画の例。

Step4-7 グルグルひねるフィルタの設定。

Step4-9 球面化。

Step 4

 球面化への準備。

    1/ テキストが球面に上下反転して映るようにします。Textレイヤーを複製して、反転用のTextレイヤーを作成します。

    Textレイヤーを右クリック>レイヤーを複製

    レイヤー名=Text for Sphere 

    2/ Text for Sphereレイヤーを選択し、上下鏡像反転します。

      ・ ツールボックスで鏡像反転ツールを選択し、プロパティで垂直をチェック
      ・ イメージウィンドウ中をクリックし、左図類似の位置に移動させます

    3/ Text for Sphereレイヤーを選択した状態で、反転させたテキストのうち少なくとも中央の2文字、もしくは3文字が選択範囲内に存在するように、楕円選択ツールで真円を描きます。

    4/ Backgroundレイヤーを複製します。

    レイヤー名=Backgroundコピー

    5/ レイヤータブで、Text for SphereレイヤーをBackgroundコピーレイヤーの直上まで下げます。

    6/ この二つのレイヤーを統合します。

    Text for Sphereレイヤーを右クリック>下のレイヤーと統合

    レイヤー名=Sphere

    7/ Sphereレイヤーを球面に変換しますが、ここでは球面にマップさせるのではなく、グルグルひねるフィルタを使用します。

    フィルタ>変形>グルグルひねる

    設定は左図参照。

    8/ Sphereレイヤーの不要部分を消去するため選択範囲を反転します。

    選択>選択範囲の反転。

    9/ Sphereレイヤーの不要部分を消去します。

    編集>消去。

Step5-3 ブレンド適用後。

Step5-5 レンズ効果適用後。

Step5-6 明るさ・コントラスト変更後。

Step 5

 球面化。

    1/ 球らしくするためにグラデーションを適用します。まず、Sphereレイヤーの直上に新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Sphere Gradation
    背景=透明

    2/ 選択範囲を反転します。選択範囲を解除しているのであれば、Sphereレイヤーを右クリックし、不透明部分を選択範囲に を実行して、球面部分を選択範囲にします。

    3/ Sphere Gradationレイヤーを選択し、ブレンドツールを適用します。

    描画色=黒
    グラデーション=描画色から透明
    形状=線形
    ブレンドの適用方向=右下から左上

    4/ Sphere Gradation レイヤーの不透明度変更します。

    不透明度=80%。

    5/ 選択範囲を維持したまま、Sphereレイヤーを選択しレンズ効果を適用します。

    フィルタ>照明と投影>レンズ効果

    設定:
    レンズ屈折度=1.50

    6/ Sphereレイヤーの明るさとコントラストを変更します。

    色>明るさ・コントラスト

    明るさ=80
    コントラスト=74

Step6-2 影の作成後。

Step 6

 球の影の作成。

    1/ 球全体の影をつけます。SphereレイヤーとBackgroundレイヤーの間に新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Shadow。

    2/ Shadowレイヤーに作例のような影をつけます。手法は以下です。

      ・ 楕円選択ツールで選択範囲を作成
        ・ 選択範囲を回転させる
      ・ 選択範囲を黒で塗りつぶす
      ・ レイヤーモードをオーバーレイに変更
      ・ 不透明度を50%に設定

Step7-3 完成。

完成時のレイヤー構造。

Step 7

 装飾。

    1/ レンズフレアを作成します。まず、BackgroundレイヤーとSphereレイヤーを複製し、この二つのレイヤーを統合します。

    レイヤー名=Flare 

    2/ Flareレイヤーの順序をSphereレイヤーの直上に変更します。

    3/ レンズフレアをFlareレイヤーに適用します。

    フィルタ>投影と照明>レンズフレア

    設定は任意です。

    完成です。

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初版作成: 2011/01/01
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